こんにちは。鹿内です。
「いつまでこうして毎回毎回降りなきゃいけないんだ!」
電車から恐くて降りるたびにそう思っていました。
私はパニック障害になって、電車に長く乗っていられなくなったんです。
各駅停車はダメ。急行電車なんてもっとダメ。
電車のことを思うだけで、「うっ」と胸が苦しくなりますし、電車のなかでパニック発作が起きていて倒れたらどうしようと不安になります。
駅のホームで電車を待っているときから不安です。
電車のなかでは、座っていても、立っていても落ち着きません。
そんな状態が数年も続いていました。
各駅停車のとなりの線路で急行電車が通過していくと寂しいんです。
「昔は乗れてたのに……」と切なくなるんです。
そんな病気をかかえていることを人には言えませんでした。
「アイツおかしくなったらしい」と言われるのが恐かったから。
誰にも言えず、孤独になってくると、だんだんと諦めたくなるんです。
「何をオレは我慢しているんだろうか、何を守ろうとしているのか」
「いつまでこんな症状に悩まされるのか」
でも、このままではまずい!
体調を現状維持するのも難しくなっている。
仕事は辞められないから、どうにかして、パニック障害の恐怖を改善しなければ!
このままでは、家族にも迷惑がかかってしまう。
どうするか?
「目標のハードルが高くないか?」と思ったんです。
当時は、電車のなかで恐怖心が起きないことが目標でしたが、達成できることはまずありませんでした。
「電車のなかで発作や恐怖心が起きることは避けらないのでは?」
「発作や恐怖心を認められないでいるのでは?」
認められない気持ちって、年取っても夢を諦めらきれない芸人と同じだと思ったんです。
40歳を過ぎてもテレビに出るのを目指してバイトをしながら、売れる夢を追いかける、みたいな。
過去にヒットしたネタや、テレビに出たことないのに、ずっと夢をあきらめられない人のようだと思ったんです。
「現実を見よう」
今の自分にできることをちゃんと積み上げていこうと思ったんです。
そこで、目標を変えました。
電車のなかで、発作や恐怖心が出ないことは目標から外しました。
代わりに、発作や恐怖心が出ても、抑えられるようになることを目標にしたんです。
発作や恐怖心が出ることは受け入れたんです。
つまり、根本的に良くすることから都度対処することに、切り替えたんです。
これが私には良かった。
思いつたことを電車のなかでいろいろと試していきます。
結果として、私の場合は、呼吸法との相性が良くて、電車のなかで発作や恐怖心がでてきても、自力で抑えられるようになっていくんです。そして、パニック障害の不安症状がコントロールできるようになっていったんです。
私の場合、根本治療から対処治療に変えて、目標のハードルを下げたことが、パニック障害を良くするのにとても良かったんです。
あとで、知りましたけど、ハードルを下げることは上手な子育ての方法にも使われていました。
これは私が子育てに悩んでいたときに、ペアレントトレーニング(子育て法)で習ったことなんです。
それは、子どもが言う事を聞かなかったり、親の言う通りにできない子どもには、目標のハードルを下げてあげるといいんですって。
正確に言うと、目標を小さく細切れにしてあるんです。
たとえば、「着替えをして時間通りに子どもが玄関に行ってくつを履く」のがゴールだとして、それをなかなか達成できないな場合、ゴールを小さく細切れにするんです。
たとえば、上着を着替えられたら1つ目のゴール、靴下を履けたら2つ目のゴール、玄関に行けたら3つ目のゴール、時間を意識できたら4つ目のゴール、靴を履けたら5つ目のゴール。
というように、ゴールを小さく分けて、小さいゴールを達成できたら、ほめるようにするんです。
そうすると、子どもは今まで怒られていたのが、褒められるようになるし、回数も増えるから、やる気が出ます。
親も褒めやすいし、子どもが動いてくれるようなるので、さらに褒めたくなるという、親子にとって良い方法なんです。
私の場合、パニック障害にこの方法を応用しました。
「電車に不安なく乗る、不安が出てはいけない」というのは、人によって目標が大きすぎる場合があります。
だから、目標を小さく細切れにするんです。
まずは、休日に空いているときに電車に乗れるようになることをステップ1、恐くても我慢できたらステップ2、恐さに対処できたらステップ3、平日でも乗れるようになったらステップ4。というように現実的なステップを分けていくんです。
そうやって、少しずつステップをクリアして自信を付けていくのがいいと思うんですね。
小さいことで構いません。
大きすぎる目標は治療の邪魔になりますから、細切れにしてください。
小さくても、一歩一歩目標を達成してくことで自信を積み重ねることが、パニック障害を良くしていくのには大切です。
まずは目標を小さく分けてみると、違った見え方ができるかもしれませんよ。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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